デザインしてますか?spicagraphです。ふだんツールに関する記事を書いたり、Twitterでつぶやいたりしていると「こいつ見た目のことばっかりやな」と思われそうで、めずらしくデザインするとき大切にしていることについて書きます。わたしの仕事は主にEC、LP、プロモーション、コーポレートサイトなので、UI/UXみたいなかっこいい話でないことは前置きしておきます(でもだいじなおしごとだよ!)
デザインは誰のため?
大前提として、わたしは誰に向かってデザインしているのか。
わたしはフリーランスで仕事をしているため「お客さん」がたくさんいます。仕事をくれた制作会社のディレクターさん、クライアント、ユーザーです。webサイトの「お客さん」はユーザーですが、ユーザーだけがいいと思うものだけが良いデザインだとは思いません。
webサイトは更新されていくものです、多くの場合はクライアントによって。ということは、まずクライアントに「サイトをもっと良くしていこう!」と思ってもらわなければなりません。また、プレゼン用のデザインを作るときにはディレクターに「これで良い提案が出来る!」と思ってもらえなければ、成功は無いと思っています。そして、デザインにはその力があると思っています。
わたしがデザインする上で、大切にしたいと思っているのはこの3つです。
- ワイヤーフレームに忠実になりすぎない
- クライアントの視点を持つ(美容院に置き換えてみる)
- 「好き」でいること
ワイヤーフレームに忠実になりすぎない
デザイナーはディレクターからワイヤーフレームをもらってデザインすることが多いですね。
もらってまずなにをしますか?そう、じっくり見ますね、隅々までよーく。
そして、
ワイヤーフレームはクライアントに提出することもあるため、デザインイメージを固定しないよう非常にシンプルに作られています。そこからより効果的な「見せ方」を作っていくのはデザイナーの役割だと思っています。レイアウトを変更したり、モチーフを追加したり、コピーを入れ替えてキーワードを立たせたり、ボタンの配置をより効果的にしたり。絶対なにが何でもワイヤーの通り作りたくない!ということではないです。ただ、「ここをこうしたらもっと良くなりそう」と思ったことはどんどん提案していった方がいいと思っています。
ただし、これはクライアントやディレクターによって変わってくるので、そこは事前に確認する必要があります。
- このワイヤーで絶対に変えてはいけない箇所はありますか(レギュレーションなど)
- レイアウトやコピーはこちらで調整してもいいですか
ということだけは事前に確認します。先にディレクターから「ワイヤーのレイアウトは無視してください」と言われることもあります。
クライアントの視点を持つ(美容院に置き換えてみる)
少し前に公開されたこちらの記事→「ひさかたの|美容師とWebデザイナーの共通点と自戒」。すごくいい内容で、わたしも常々デザイナーと美容師は似ていると感じていました。
例えば自分がパーマをかけたいと思ったとき、その理由はたくさんあるはずですが簡単に「パーマで」と告げてしまうことがあります。しかし美容師さんはいろいろと話を引き出してくれて、時には「それだったらカットの方がいいですよ」といったように、こちらの想像と違った提案してくれることもあります。これは非常に参考になるなといつも思います。
デザインに置き換えてみると、やっとまとまってきたデザインに「ここの文字を赤くして」という修正が入る。よくありますよね。しかし、上のような理由で、ただ赤くするだけでは「やっぱり変だからこんどは青くして」というような修正が発生しかねません。
ヘアスタイルもwebサイトも、「人にどう見られたいか」という点では非常に似ていると思います。じぶんの大事な髪の毛を人に預けるという不安や、ヘアカタログで見たスタイルになれるんじゃないかと言う期待感、新しい髪型になったときの高揚感など、クライアントがデザイナーの求めるものが詰まっている気がします。お気に入りの美容院へ行くときには、なぜそこの美容院が好きなのか、どんな風に要望を引き出してもらっているのか気をつけて見てみるといいと思います。
「好き」でいること
これはもう語るまでもないことですが、「好きこそものの上手なれ」ですね。デザインが好きなひとであれば、電車の中吊り広告1枚で随分楽しめると思います。たくさんのものを見るのはデザインの糧になると思いますが、それは最新のデザインやすばらしいアートでなくても良いと思います。日常で目にするものを、ふいにじっくり観察してみると、新しい発見やヒントを得られることがあります。
デザインが好きなのももちろんですが、制作するクライアントのことも好きでいたい、ファンでいたいと思います。LPの依頼があれば商品の資料やサイトを熟読して、毎回それが欲しくなってしまいます。そして、そういう気持ちはデザインにも現れるのではないかと思っています。
まとめ
これまでデザインについて記事を書きたいと思いながらも、デザインを論じるほど能があるわけでもなく、誤解されない記事を書く自信がなくてずっと先延ばしにしてきました。きっと、わたしはこれを10年前の自分に伝えたいのだと思います。もしも誰かの小さなきっかけになれたら、また、同じような想いを持つ方に「そうそう」と思ってもらえたら、とてもうれしいです。