デザイナーのイラストノート

「天下分け目のベクター祭り SVGじゃ! Illustratorを持てい!」 参加してきました

Illustrator

2015/11/28に行われたリクリセミナー第26回「天下分け目のベクター祭り SVGじゃ! Illustratorを持てい!」に参加してきました。スライドなどは非公開のため詳しくは書けませんが、いろいろ刺激をいただいたイベントでしたので感想を。わたしはFireworksLOVEのためその辺の想いもにじみ出る感じですがご容赦ください。

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はじめに

このイベントは当初、あわゆきさん松田直樹さんのお二人でIllustratorやベクターについて語ると言うイベントだったと記憶していますが、参加者として登録されていた三階ラボさんくっきーさんが次々と登壇者として追加されて行く豪華イベントとなりました。あれっ?どこかで見たような豪華メンバー…

ちなみにこの本は2015年買ってよかった本私的ベスト5に入ります。Illustratorをある程度触ったことがある、もしくは貰ったデータに苦しんだことがある方に特にお勧めです。

セッション1「まだピクセルで消耗してるの?」あわゆきさん

「好きなAdobeはIllustratorです」からはじまったセッション。お子さんを連れて久々の登壇と言うことでしたがスライドの可愛らしさは相変わらず。途中師匠である三階ラボさんにコメントを求める場面もあったり、和やかなセッションでした。

  • 「ピクセルグルッドに整合」はOFF
  • 「プレビュー境界を使用」はOFF
  • ピクセルで考えよう

こういったポイントを抑えてIllusttatorでもWebデザインをやりましょうと言うお話でした。詳細は本にも書いてあるのでぜひ

セッション2「SVG MANIAX Scalable Vector Graphics in OSAKA」松田直樹さん

「好きなAdobeはFireworksです」からはじまったセッション(思わず最前列で拍手してすみません)。ご本は読んでSVGのことはある程度知識があったつもりでしたが改めてお話を聞くとあまりに未来的で、いい意味でぽかーんとしてしまいました。

  • SVGは他の画像形式と比べてアクセシブル
  • Webフォント?SVG?
  • SVGスプライトすごすぎ
  • アニメーションわくわく!…Javascriptェ…

わたしの感じたポイントはこんな感じ。アクセシビリティの部分は恥ずかしながら目から鱗でした、これまでのようなaltやtitleではなく、テキストを内包できるというのはすごいことだと思いました。SVGスプライトとアニメーションはこれからすごくいろんなアイデアが生まれそう!とわくわくしました。高度なアニメーションはハードルは低くないです…ベジェ作れる人がJavascrip覚えるより、Javascript得意な人がベジェ覚える方が早いのでは…ってちょっと思いました。ただ、snap.svgのようなライブラリもいくつか紹介されていましたので、取っ付きやすくて良さそうだと感じました。

「勝ち鬨を上げよ!ベクター侍 大坂評定」

最後は三階ラボさんくっきーさん、Adobeから轟さんが参加されてのトークセッションでした。くっきーさんによるSkechのデモは、ご本で見るのと実物を見るのは大違いで、カンプをパパパッと作ってしまう便利なプラグインと軽い動きにはびっくりでした。くっきーさんは日本で一番Skechの情報を発信していらっしゃるのでは…?と思うので気になる方はぜひ。

あわゆきさんが「師匠」として紹介されていた三階ラボさんは、テレビのテロップの作成事例やすごい数のアイコン、ロゴなどの制作事例のファイルの中身を見せてくださって、その整頓された、考え尽くされたワークフローには脱帽でした。まさか◯◯の都合で◯◯で作って◯◯で書き出しているとは…!!ご自身のサイトでは様々なスクリプトやtipsを公開されているのでIllustrator好きさんならぜひ!

Adobeの新たな刺客「Project Comet」

轟さんの「好きなAdobeはFireworksです」から始まった「Project Comet」の制作中のデモ(2016年リリース予定)。トークセッションのひと場面だったのですが、インパクトが強かったので別コーナーで。

Project Comet」は、現在はサイトのビデオで見ることができるように「サイトのデザイン、プロトタイプを作る・共有することに特化したツール」です。これまで地味に時間を取られていた同じフォーマット繰り返しのデザイン(例えばECサイトの商品リスト)を、非常に簡単に、しかもユニークな形で作成・変更ことができるようになっています。「インブラウザデザイン」という「デザインカンプを1枚画像で作成しない」流れに対し、見た目のデザインだけでなく動きまで含めた「プロトタイプ」というチーム内での共有を上手く組み合わせたツールだと感じました。

しかし、でも画面を見て歓声を上げつつ、心の底はどこか冷えていく自分がいました。すごく失礼な言い方をするなれば「”どこかで見たサイト”を量産できるツール」だと感じたからです。「丸く切り抜かれた写真アイコンの右側にテキスト、それが縦に10件表示される」デザインはものの30分で出来てしまいます。逆に言えば、「30分で出来るからそのデザインになった」という結果を生まないか、「デザイナーいらない論」が更に加速するのではないか、という懸念です。

すっかり意気消沈して、アフターパーティの場で思わず三階ラボ長藤寛和さんに「Project Cometを見てどう思われましたか?デザイナーの仕事って何でしょうか」と質問してみました。するとにっこり笑って「あのテキストのフォントをどう選ぶか、行間をどう取るか、そういうことはまだありますよ」と仰るのを聞いて、ハッとして恥ずかしくなりました。確かにこれまで地味に時間を取られてきた「デザインの中の手作業」の時間が減ったのは喜ばしいことで、余った時間で「どう見せるか」と言うことをさらに考えられる、いいことじゃないかと。「デザイナー不要論」はこれからも加速すると思います、しかし「不要なデザイナーにならない」にはどうしたらいいか、それが大事だと感じました。

データとクリエイティブ

最初にも書きましたがわたしはFireworksが好きです。もう10年このツールを使ってきて、このブログのイラストも9割Fireworksで描いています。

SVGの素晴らしいところは再編集可能なところです。jpgやgifやpngと違って、「元データなし」でも、「特別なツールなし」でも変更を加えられるのはすごく魅力的なことです。しかしIllustratorのような多機能なツールを愛する人は、ある種のクリエイティブな部分はツールに依存していると思います。例えばアピアランスはSVGになれば分解されて、アピアランスとしての機能は失います。

おこがましいですが、わたしのなけなしのクリエイティブは、この10年ずっとFireworksと共にありました。これまで作り溜めてきたデータ・イラストはFireworksが立ち上がらなくなるときを持って「元データ」という価値を失います。何かひとつのツールに固執するつもりは全くありませんが、これまでの財産を失うのはやはりすごく寂しいものです。MacromediaがAdobeに買収されなければどうなっていたか分かりませんが、各ツールとの連動や機能追加を考えると、買収されて本当によかったと思います。

何がいいたいかと言うと、IllustratorやPhotoshop、今度リリースになる「Project Comet」はいつまでも続きますように。みなさんのこれからのクリエイティブが泡と消えませんように、ということです。Adobeさんどうぞよろしく頼みます。

まとめ

最後はしんみりしてしまいましたが、セミナー自体はすごく素晴らしいもので、リクリセミナーさんの質の高さを改めて見せていただくことが出来ました。有料セミナーより相互に教えあうような勉強会、コミュニティが増えてきたこの頃ですが、しっかりお金をとって、それに見合う内容、フォローアップのあるイベントだと思います。来年も様々な企画を期待します。

それでは、2016年がみなさんにとって良い年になりますように。

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